看護師にとって、長く安定して仕事が続けられる職場とはどんな環境で、どんな福利厚生が整っている場所なのでしょうか。勤務に関する考え方の違いを含め、どういった場所への就職希望者が多いのか、看護師にとって良い職場を考えてみましょう。看護師の勤務先は病院とは限らず、保健所や各市町村、介護を必要とする老人の施設など幅広く人材が求められています。その中で、自分が働きやすく、長く続けやすいと感じる環境を、所属する人数などから比較、検討してみましょう。そうすることで、今後どのような働き方をしていくのか、考える目安に出来るのではないでしょうか。看護師と准看護師に分けて年次別・就業場所別の就業者数を見てみましょう。
2012年度 看護師
保健所 1028人
市町村 6795人
病院 756909人
診療所 168417人
介護老人保健施設 21068人
訪問看護ステーション 30225人
社会福祉施設 13737人
老人介護福祉施設 17838人
居宅サービス等 23599人
事業所 6482人
看護師等学校養成所・研究機関 14664人
その他 7008人
2012年度 准看護師
保健所 65人
市町村 1347人
病院 160659人
診療所 134145人
介護老人保健施設 23193人
訪問看護ステーション 3165人
社会福祉施設 9229人
老人介護福祉施設 16954人
居宅サービス等 24694人
事業所 1625人
看護師等学校養成所・研究機関 29人
その他 2651人
出典 日本看護協会ホームページより
正看護師はやはり病院、診療所が多く、次いで訪問看護ステーションでの就業者数の多さが目立ちます。そして、老人介護を目的とする2つの施設を合わせると、その就業者数は38096人になり、訪問看護ステーションを上回る人数になります。准看護師では、上位は正看護師と変わりませんが、それ以外の部分では大きく違いがあります。訪問看護ステーション勤務の准看護師は3千人強という人数に留まり、職場で高い看護技術が求められていることがわかります。准看護師が養成所や研究機関に勤める人数も、正看護師と比べると大きく違います。資格の違いにより、病院や診療所以外への就業者数は違ってくるということが見えてきました。将来病院や診療所以外で仕事がしたいと考える場合は、准看護師の資格を目指すよりも正看護師の資格を目指しておく方が近道のようです。働く環境や福利厚生は職場によって違いがあるため、就職までに詳しく調べてみましょう。市町村で活躍するなら、地方公務員に準じた福利厚生が受けられます。
看護師の就職先として、病院だけにこだわる必要がないことも出典の資料からわかりますが、正看護師と准看護師で大きな隔たりがあることもわかります。今後の少子高齢化に対応するため、特に老人介護に携わる現場で看護師を続けるとなった場合、正看護師が持つ看護技術が求められていることもわかりました。その方が、転職の際にもかなり有利に働くことは間違いありません。准看護師の方が一定の勤務年数を越え、正看護師の資格を取れることになった場合、それに対応出来る準備が整ってるかどうかも重要です。キャリア形成に必要な準備は、これから求められる状態に応じて考えていかなければならないのではないでしょうか。